言語造形とは

 

朗読術・言語造形。
それは、旧オーストリア=ハンガリー出身の精神科学者ルードルフ・シュタイナー(1861~1925)によるアントロポゾフィー(人間学)から汲み出されました。

言語造形とは、ことばの本来的な要素であるかたち、動き、間合いなどを、人間に相応しく、我が身をもって、意識的に創造していこうとする、言語芸術です。

ことばの音韻ひとつひとつの響き、息使いの強弱・間合い、みずからのからだのありよう、それらに意識の光を当てつつ、ことばを発する。その時、みずからのからだはひとつの楽器であり、ことばを話すこと、語ることが、芸術になりえます。

演奏家が一音一音の音符を奏でるように、言語造形家はことばを語りながら、作品を創造していきます。文字に書かれたことばが、言語造形家によって、生きた響きとなって立ち上がってきます。

 

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また、その「ことばを話す術・語る術」に取り組む時、人は必然的に、「わたしという人間」に取り組むことになります。なぜなら、ことばは本来、「わたし」が話すものであり、語るものだからです。

いきいきとした人から、
いきいきとしたことばが発せられます。

その人の生命が、こころが、精神が、ことばに満ちる時、ことばはことば本来の輝きを取り戻します。人が人本来の輝きを取り戻します。

ことばを話すこと、語ること。
そのことの奥深さは、やはり底知れません。

 

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